工事現場のイラスト

公共工事の品質

公共工事の品質:
基本要求品質とは

公共建築工事要求仕様書には「基本要求品質」という重要な考え方があります。
この基本要求品質はそんなに難しいことではありません。住宅の塗装工事で整理すると次の内容で示すことができます。

1

適した塗料

使用する材料(塗料)は、建物に適したものが指定され、指定された材料(塗料)を使って工事を行っている。

2

指定の使い方

材料(塗料)メーカーが指定する使い方に従って工事が行われ、ムラのない状態で仕上げられている。

性能の発揮

塗装された塗膜は、材料(塗料)メーカーが想定した性能(耐久性など)を発揮できる。

品質確保は「決められたことを決められたとおり」に
実行すること

1建物に適した材料の使用

塗装工事で使用する材料は主に塗料ですが、塗料には様々な種類があり、塗料ごとに使用できる建材の種類が異なります。

塗料の製品パンフレットに表示された<どんな建材に使用できるかを示している箇所>

適用下地

  • 窯業サイディングボード
    (セメント無機繊維板、硬質木片セメント板、炭酸マグネシウム板、スラグ石こう板など)
  • 在来工法(モルタル、コンクリート、PC、ALCなど)にも適用できます。
  • 金属サイディング材の塗り替えの際は、ご相談ください。

※無機や親水表面処理が施された高意匠サイディングボードには専用の下塗りをご使用ください。

これは外壁用の塗料で、適応下地からは多くの住宅の外壁に使用できることが解りますが、もし外壁が金属製のサイディング材やトタン張りのように金属の場合は、使用できるかどうか注意が必要です。

塗料パンフレットの写真

塗装工事を行う場合は使用する材料(塗料)をメーカーと製品名を明確にしてもらい、パンフレットを提示してもらうなどして、建物に適した材料が選定されているかを確認します。

  • 現在はほとんどの塗料メーカーがホームページで製品情報を公開しています
  • 見積書に使用する製品名が記載されていればホームページで簡単に確認できます。

※上塗り塗料は見積書記載されていても、下塗り塗料の製品名が記載されていないことは少なくありません。
下塗り塗料は上塗り塗料以上に使用できる建材の種類が限定されます。
下塗り塗料についても製品名を確認して、建物に適した材料が選定されているかを確認します。

2メーカーが指定する使い方で工事を行う

塗料の製品パンフレットには、その塗料を使用する際の基準が表示されています。
この基準を守って工事をすることが工事の品質に繋がります。

塗料の製品パンフレットに表示された<メーカーが指定する
塗料の使い方>

標準塗装仕様(塗り替え)

  • モルタル面、コンクリート面の塗り替えなど
    モルタル面、コンクリート面塗り替えの標準塗装仕様表

    ※製品名をローラー施工する際に、高温時や風が強い場合などの乾燥が速まるような条件下では、希釈率を上限値の範囲内で調整することをご推奨致します。
    (作業性や仕上がりの向上を更に図ることができます。)

  • 窯業系サイディングボード、ALCパネル面の塗り替えなど
    窯業系サイディングボード、ALCパネル面の塗り替えの標準塗装仕様表
  • 付帯金属面、金属パネル外壁、FRPの塗り替えなど
    付帯金属面、金属パネル外壁、FRPの塗り替えの標準塗装仕様表

下記の3項目は
塗装工事の品質に大きく影響する。

  • ペンキとはけのイラスト

    塗り回数

    塗料の使用量を塗り重ねる回数です。

  • ペンキのイラスト

    使用量

    塗装する面に対して塗布する(塗装する)塗料の量のことです。塗布量とも言われます。

  • 時計のイラスト

    塗り重ね乾燥時間

    次の工程(塗装)までにどのくらいの時間を開けて乾燥させるかの最低の時間です。